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きものあれこれ


『着物』と一言でいっても染物や織物があります。染物は『柔らか物』織物は『硬物』と

呼ばれ、私たちの間では区別されています。今回は、『柔らかもの』によく使われる

代表的な染めの手法と刺繍をご紹介いたします。先人たちが1千年以上もかけて

作り上げてきた文化が『着物』の中に今なお生き続けているのです。

『着物』に接したことのない方も、『着物』から離れてしまった方も日本人の財産である

『着物』についてもう一度見直されてみてはいかがでしょうか?



疋田絞り


七、八世紀の頃、正倉院御物を初めとする日本の

上代の染織遺品の中には、相当数の『絞り』が

残されています。

その後、江戸時代の奢侈禁止令などの様々な

時代背景の中で、『絞り』はお洒落であり人目の多い

正式な場所で着てはならないという間違った習慣が

伝えられましたが、本来はフォーマルでも着用できる

格の高い染物です。
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琳派友禅


安土・桃山時代、卓越した文化人であった本阿弥光悦

そして、彼の影響を色濃く受けた俵屋宗達、華やかな

元禄文化を代表する尾形光琳らが、豊かな京の自然を

取り入れ装飾性の高い『琳派』と呼ばれる独自の世界

を創り上げました。文様には四季草花に割付などの

美的な柄が描かれ、それらを江戸時代の染色師

宮崎友禅斎が『糸目友禅』という技法で着物に染め、

現在の着物の美へと昇華されました。
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日本刺繍


我が国に刺繍の技法が伝来し、日本刺繍として

発達したのは奈良時代後半の事で、最古の染織品

として著名な『天寿国繍帖』があります。

平安時代以降、各時代の独自の技法百種類以上を

生み出し、日本刺繍は発達してきました。

とりわけ、各種の色糸を使い文様を作製する点は、

中国の蘇洲刺繍とは違う、四季の国日本の独自の

感性と技が生かされています。
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